第1回 | 少しずつ編む人が たくさんいてくれると助かります
こんにちは!ふっくら布ぞうりの会 代表の工藤です。このたび、ふっくら布ぞうりの会のオフィシャルサイトで、コラムを始めることにしました。
タイトルは、「ふっくら布ぞうりのある風景」。
ふっくら布ぞうりの会を続けていると、日々、いろいろな出来事があります。編み手さんとのやりとりの中で気づくこと、お客さまからいただいた言葉にうれしくなること、長く活動を続けてきたからこそ、あらためて大事だと感じること。
そんなことを、少しずつ書き残していけたらと思っています。
第1回は、今、私たちが取り組んでいる「編み手さんを増やしていくこと」についてです。
CONTENTS
どんな方に編み手になってほしいのか
ふっくら布ぞうりの会では、今、新しい編み手さんを募集しています。
特に参加していただきたいと思っているのは、さまざまな理由で外に勤めに出ることが難しい方たちです。
たとえば、ひきこもりがちな方や、ひきこもりのご家族を支えている方。発達障害などがあり、生きづらさを感じている方。家族の介護をしている方や、障害のあるお子さんのケアを日々担っているお母さんたち。
そうした方の中には、決まった時間に外へ働きに出ることが難しかったり、ノルマのある仕事が負担になったりする方も少なくないと思います。
最近はリモートワークも増えましたが、パソコンを使った仕事が誰にでも向いているわけではありません。
もし、手芸が好きだったり、ものを作ることや細かい作業が好きだったりする方がいたら、「ふっくら布ぞうりを編む」という仕事も選択肢のひとつにしてもらえたらと思っています。
「できるときに、できる分だけ」が始まりだった
私たちがこうした働き方を大切にしているのには、理由があります。
ふっくら布ぞうりの会は、東日本大震災の復興支援から始まりました。
東北の編み手さんたちと活動を続ける中で、私たちはずっと、「できるときに、できる分だけ」という形を大切にしてきました。
震災の日が近づくと気持ちが沈んで、なかなか編めない時期がある。
お盆やお正月には家族やお孫さんが帰ってきて忙しい。
春になると、わかめの仕事が始まるから布ぞうりを編む時間がない。
人には、それぞれの暮らしがあって、それぞれのペースがあります。
だから、そういうときは無理をしなくていい。
もちろん、「今、もう少し編める方はいませんか」とお願いすることはあります。でも、基本的にはノルマはありません。
自分の生活を大切にしながら、できるときに参加してもらう。それが、ふっくら布ぞうりの会の働き方です。
布ぞうりは、実はけっこう力仕事
布ぞうり作りは、見た目以上に力を使います。
材料がすべて準備された状態なら、慣れた方で1足を2時間ほどで編むことができます。
でも、だからといって1日に何足も、毎日編み続けられる仕事ではありません。
無理をすると、指や手首を痛めたり、腱鞘炎になったり、身体に負担が出てしまうことがあります。
私自身、長くこの仕事を見てきて、月に20足くらい、多くてもそのくらいが、無理なく続けられるひとつの目安なのではないかと感じています。
たくさん作ることよりも、長く続けられること。
そこは、私たちが大切にしていることのひとつです。
少しずつ編む人がたくさんいてくれると助かる!
私たちも事業として布ぞうりを販売していますから、もちろんたくさん作って、たくさん届けたいと思っています。
でも、そのために一人の編み手さんにたくさん作ってもらうのではなく、少しずつ編んでくださる方がたくさんいるほうがいい。
一人ひとりが無理をせず、それぞれのペースで参加する。その積み重ねで、全体として必要な数の布ぞうりを作る。
実は、そのほうが編み手さんにとっても、私たちの事業にとっても持続可能なんです。
「ノルマがない」というのは、編み手さんにとって働きやすいだけではなく、私たちにとっても大切な仕組みなのだと思っています。
布ぞうりを通して、社会とのつながりをつくりたい
ふっくら布ぞうりの会は、復興支援をきっかけに始まった団体です。
だから、事業を続けていく中でも、いつも何かしら社会にお返しできる活動でありたいと思っています。
働くことに少しハードルを感じている方が、家にいながら、自分のペースで仕事をする。
その仕事が誰かに喜ばれ、少しでも収入になり、社会とのつながりにもなる。
そんな循環を、これからもっと広げていきたいと思っています。
もちろん、参加してほしいのは、そうした事情を抱えている方だけではありません。
「手芸が大好き」
「布ぞうりをたくさん編んでみたい」
「誰かを応援する活動に自分も関わりたい」
そんな方にも、ぜひ参加していただきたいと思っています。
いろいろな人が、それぞれのできる形で参加する。
そして、みんなで少しずつ支え合いながら、ふっくら布ぞうりを作っていく。
そんな編み手の輪を、これからもっと広げていけたらと思っています。
